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R18BL小説『 ESCAPE』(286)
R18/BL小説 『ESCAPE』
第7章「ESCAPEⅡ」
286ページ
更新しました。
*****
バリケードは高さはあるけれど、縦格子の手摺りは、80センチ程度だ。
手摺りの方からなら、楽に乗り越えることが出来た。
吹き曝しの階段は、あちこち錆び付いて、所々腐って破れたように穴が空いている。
役に立たないバリケードを一瞥して、こんな階段は早く修復なり撤去なりすればいいのにと思う。
踏み板の間や縦格子の手摺りの間から、強い風が、不気味な音を立てながら渦のように吹き荒れて、
支柱の周りをぐるぐると巻くように上っていく階段は、頼りなくて、風に揺れているように感じる。
でも校舎の中には入れないのだから、この階段を上るしかない。
抜け落ちた部分に注意しながら、俺は屋上へと急いだ。
さっき見たのが、鈴宮でないことを祈りながら。
カン、カン、と響く足音さえも、掻き消してしまう程の強い風の音。
上りながら、何度か「鈴宮くん!」と叫んだ声も、屋上まで届いているかどうか。
漸く屋上の入り口まで辿り着くと、そこにも薄いベニア板で作られたバリケードが行く手を阻んでいた。
・・・・・・続きを読む?
表紙から読む?↓
ぽちっと↓
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第7章「ESCAPEⅡ」
286ページ
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バリケードは高さはあるけれど、縦格子の手摺りは、80センチ程度だ。
手摺りの方からなら、楽に乗り越えることが出来た。
吹き曝しの階段は、あちこち錆び付いて、所々腐って破れたように穴が空いている。
役に立たないバリケードを一瞥して、こんな階段は早く修復なり撤去なりすればいいのにと思う。
踏み板の間や縦格子の手摺りの間から、強い風が、不気味な音を立てながら渦のように吹き荒れて、
支柱の周りをぐるぐると巻くように上っていく階段は、頼りなくて、風に揺れているように感じる。
でも校舎の中には入れないのだから、この階段を上るしかない。
抜け落ちた部分に注意しながら、俺は屋上へと急いだ。
さっき見たのが、鈴宮でないことを祈りながら。
カン、カン、と響く足音さえも、掻き消してしまう程の強い風の音。
上りながら、何度か「鈴宮くん!」と叫んだ声も、屋上まで届いているかどうか。
漸く屋上の入り口まで辿り着くと、そこにも薄いベニア板で作られたバリケードが行く手を阻んでいた。
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