♂×♂しかありません…××オリジナルBL小説、イラスト××

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「ジャックが好きだ！だから、そのチョコ早く食え！」


俺は、真正面からジャックを睨み付け、とうとうその言葉を口にした。

ジャックは事ある毎に、俺に　「好き」だとか「愛してるよ」とか明け透けに言葉にしてくるんだけど、

俺は今まで、どうしても恥ずかしくて言えなかった。

だから今、自分で言った言葉に、倒れるんじゃないかと思うくらい、顔が熱くなるのを感じる。

そんな俺を　呆けた顔で見つめていたジャックの表情が、見る見るうちに満面の笑みを浮かべる。

まるで犬のような尻尾を思い切り振っている幻覚まで見えてきた。

「やった！やっと言ってくれた！」

そう言いながら、軽く触れるだけのキスをする。

「どうせなら、もうちょっと可愛く言ってほしかったけどな。」

「我侭言うなよ、これ以上は無理だか…ッ」

言い終わらないうちに、また唇を塞がれる。

「離せってば、」

もうこれ以上は恥ずかしくて、ジャックの胸を押して身体を遠ざけた。

「そんなに照れなくてもいいのに…、まぁ、そこが可愛いんだけどな。」

「いいから、早くチョコ食えよ。」

男の俺に可愛いとか、変な事ばっかり言う口の中にチョコを放り込んで黙らせたい。

「じゃ、いただきます。」

やっと、トリュフチョコを一個口の中に入れるジャック。

「ん、美味しいな、これ！ありがとうホーク。」

美味しそうに食べるジャックの顔を見て、気に入ってもらえたなら良かったと安堵する。

「ホークも食べなよ。」

「え？う、うん。じゃあ一個貰うね。」
と、箱の中のチョコを摘もうとしたら、

違う違う、と言いながら、俺が摘もうとしたチョコを取り上げて、自分の口に入れてしまうジャック。

「な、なんだよ！」

抗議の声を上げた途端、また唇を塞がれる。

「…んーーーッ…！」

ジャックが口に含んだチョコを、舌を使って俺の口内に押し込んできた。

俺の舌に絡みつくジャックの舌、口内で転がされるトリュフチョコの表面が段々と溶けていくのが分かる。

ーーー甘い…。

ジャックの腕が俺の腰を引き寄せて、更に深く口付ける。

コーティングが溶けて、中のガナッシュの柔らかい部分が舌に触れる頃、

ジャックの舌がチョコを絡め取り、また自分の口へ移動させた。

俺は夢中でジャックの舌を追いかけて、ジャックの口内のチョコをまた絡め取り返す。

徐々に溶けて小さくなっていく、チョコレート。

チョコと一緒に　羞恥も忘れ、身体も蕩けていく。

蕩けたチョコが混じった唾液が、口端から零れるのも構わず、お互いの口内を余す事なく貪りつくした。

やがて口の中のチョコは、すっかり形がなくなり、甘い余韻だけが口内に残って、ジャックの唇が離れていった。

「美味しかった。」

チョコと唾液で濡れた唇を舌で舐めてみせるジャックの顔を直視出来なくて、

「ばか…」

と、呟いて目を逸らした。

「もっといっぱい味見してもいい？」

そんな訳の分からない言葉を、耳元で囁いてきつく抱きしめられた。

「好きにしろよ。」

そう言って、俺はジャックの背中に腕を回した。


バレンタインデーの夜は始まったばかり。


Happy Valentine's Day with Lots of Love!