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R18BL小説『ESCAPE』(314)
R18/BL小説 『ESCAPE』
epilogue「至愛」
314ページ
更新しました。
*****
先生が取りに行ってくれたキャンバスを、窓の横に立て掛けて、僕は部屋をぐるりと見渡した。
胸に押し寄せてくる思い出を振り切るように、鞄の中に身の回りの物を適当に詰め込んだ。
部屋のドアを開けると、窓からの爽やな風が抜けていく。
カタンと、何かが倒れた音に振り返ると、勉強机の上のメモスタンドに挿してあるペンが、風になびいたカーテンに当たって転がっていた。
勉強机に近付いて、転がっているペンを元の位置に戻せば、意識は、一番上の引き出しに引き寄せられた。
本棚に隠してあった鍵を取り出して、久しぶりに引き出しを開けると、あの夏の日に入れた時のまま、母さんの写真立ては、裏を向けた形で引き出しの中にあった。
『ごめんね、母さん……。』
こんな所に入れて隠して、僕は母さんの代わりになろうとしてたんだ。
なれる筈もないのに。
母さんの写真も、鞄の中にそっと入れて、僕は今度こそ部屋を後にして、玄関へ向かった。
・・・・・・続きを読む?
表紙から読む?↓
ぽちっと↓
▼ 雑記memo …
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先生が取りに行ってくれたキャンバスを、窓の横に立て掛けて、僕は部屋をぐるりと見渡した。
胸に押し寄せてくる思い出を振り切るように、鞄の中に身の回りの物を適当に詰め込んだ。
部屋のドアを開けると、窓からの爽やな風が抜けていく。
カタンと、何かが倒れた音に振り返ると、勉強机の上のメモスタンドに挿してあるペンが、風になびいたカーテンに当たって転がっていた。
勉強机に近付いて、転がっているペンを元の位置に戻せば、意識は、一番上の引き出しに引き寄せられた。
本棚に隠してあった鍵を取り出して、久しぶりに引き出しを開けると、あの夏の日に入れた時のまま、母さんの写真立ては、裏を向けた形で引き出しの中にあった。
『ごめんね、母さん……。』
こんな所に入れて隠して、僕は母さんの代わりになろうとしてたんだ。
なれる筈もないのに。
母さんの写真も、鞄の中にそっと入れて、僕は今度こそ部屋を後にして、玄関へ向かった。
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