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R18 BL小説『 ESCAPE』(209)
『ESCAPE』
第6章「希望」
209ページ
更新しました。
***
父さんは僕の部屋に入ると、真っ直ぐに、強い陽射しが入り込む、窓を閉め、カーテンを引いた。
射し込んでいた光は遮られ、重苦しくて蒸し暑い空気が部屋の中に澱む。
閉ざしたカーテンの端を両手で掴んだまま、なかなか此方を向かない背中を、
僕はただ縋るように見つめて、父さんの言葉を待つことしか出来ずにいた。
「何故、外に出た?」
父さんはそう言って、ゆっくりと振り返る。
蒸し暑い部屋の温度と、静かに言葉を紡ぐ低い声に、シャツの下でジワジワと汗が滲み始めた。
その瞳を見ることができなくて、俯いた僕へ、父さんはゆっくりと歩み寄る。
一歩足が床を踏むたびに、僅かにギシっと重い音が鳴る。
俯いた視線の先に、父さんの足元が見えた次の瞬間に、顎を掬い上げるように捕らえられ、上を向かされた。
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