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R18 BL小説『 ESCAPE』(254)
R18/BL小説 『ESCAPE』
第7章「ESCAPE」
ペ254ージ
更新しました。
*****
タクシーを、ビルの前から少し過ぎた所で停めてもらい、俺は入り口の防犯カメラの死角になるように柱の影に立っていた。
待っている間は、とても長く感じるけれど、実際は男が中に入ってからそんなに時間は経っていない。
だけど、夏の早い日の出に、どうしても気が急いてしまう。
建物の隙間から、急速に昇り始めた 朝の輝きが長い光の筋を幾つも放ち、俺の背中をジリジリと灼き始める。
柱の影から覗けばエントランスにまで光は伸びて、大理石の床が眩しく煌めいていた。
じわりと、肌が汗ばんでくるのは、朝輝の熱のせいだけではない。
エントランスの奥にある、あのエレベーターの階数表示が動くのを、目を凝らして、ただ見つめる事しかできないでいる自分がもどかしかった。
鈴宮は出てきてくれるだろうか。あの男は速水をどう説得するつもりなのだろうか。
だけど信じて待つしかない。
その時、じっと見ていたエレベーターの横の、非常階段のドアが僅かに動く。
自動ドアのガラス越しのこの位置からでは、目の錯覚に思えるほど、それは薄く開かれていた。
・・・・・・続きから読む?
表紙から読む?↓
ぽちっと↓
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第7章「ESCAPE」
ペ254ージ
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タクシーを、ビルの前から少し過ぎた所で停めてもらい、俺は入り口の防犯カメラの死角になるように柱の影に立っていた。
待っている間は、とても長く感じるけれど、実際は男が中に入ってからそんなに時間は経っていない。
だけど、夏の早い日の出に、どうしても気が急いてしまう。
建物の隙間から、急速に昇り始めた 朝の輝きが長い光の筋を幾つも放ち、俺の背中をジリジリと灼き始める。
柱の影から覗けばエントランスにまで光は伸びて、大理石の床が眩しく煌めいていた。
じわりと、肌が汗ばんでくるのは、朝輝の熱のせいだけではない。
エントランスの奥にある、あのエレベーターの階数表示が動くのを、目を凝らして、ただ見つめる事しかできないでいる自分がもどかしかった。
鈴宮は出てきてくれるだろうか。あの男は速水をどう説得するつもりなのだろうか。
だけど信じて待つしかない。
その時、じっと見ていたエレベーターの横の、非常階段のドアが僅かに動く。
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