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R18BL小説『 ESCAPE 』(310)
R18/BL小説 『ESCAPE』
第7章「ESCAPEⅡ」
310ページ
更新しました。
*****
「… 行っちゃったね。」
遠く離れていく車を見送りながら、寂しそうに、大谷がポツリと漏らした。
「…ああ。」
動き出した車のリアガラスの向こう、後ろを向いていた伊織の顔の表情も、どんどん小さくなって見えなくなってしまう。
「先生、泣きたかったら泣いていいよ。」
伊織が乗った車は、とっくにもう影も形もないのに、まだ大谷は、ずっと向こうの曲がり角に視線を留めたままでいる。
大谷だけでなく、俺も… そこから目を離せずにいた。
「…… 何言ってるんだ。泣いてるのは、君の方じゃないか。」
漸くチラリと、大谷を見れば、遠くの角を見詰めたまま、瞬きもしない大谷の目からは、涙がポロポロと零れている。
「…… 伊織、ちゃんと連絡してくるかな…。」
「約束は守るって、言ってただろう?」
泣いている大谷の頭を引き寄せて、俺の肩に凭れさせると、大谷はそのまま肩先に顔を埋めた。
シャツの肩が、じわりと熱を持って濡れていく。
・・・・・・続きを読む?
表紙から読む?↓
ぽちっと↓
▼ 雑記memo …
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「… 行っちゃったね。」
遠く離れていく車を見送りながら、寂しそうに、大谷がポツリと漏らした。
「…ああ。」
動き出した車のリアガラスの向こう、後ろを向いていた伊織の顔の表情も、どんどん小さくなって見えなくなってしまう。
「先生、泣きたかったら泣いていいよ。」
伊織が乗った車は、とっくにもう影も形もないのに、まだ大谷は、ずっと向こうの曲がり角に視線を留めたままでいる。
大谷だけでなく、俺も… そこから目を離せずにいた。
「…… 何言ってるんだ。泣いてるのは、君の方じゃないか。」
漸くチラリと、大谷を見れば、遠くの角を見詰めたまま、瞬きもしない大谷の目からは、涙がポロポロと零れている。
「…… 伊織、ちゃんと連絡してくるかな…。」
「約束は守るって、言ってただろう?」
泣いている大谷の頭を引き寄せて、俺の肩に凭れさせると、大谷はそのまま肩先に顔を埋めた。
シャツの肩が、じわりと熱を持って濡れていく。
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