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R18BL小説『ESCAPE』(316)
R18/BL小説 『ESCAPE』
epilogue「至愛」
316ページ
更新しました。
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新しい生活は、今までのことが嘘のように穏やかに、普通に過ぎていった。
転校した高校では、誰も僕の過去を知らない。
転校生が、珍しがられて注目を浴びるのは、最初だけ。
なるべく目立たないようにしていれば、その内クラスの中で、空気のように馴染んでいける。
僕は相変わらず人付き合いは苦手だったけれど、それでも少ないけど友達もできた。
その事を慎矢に言うと、「親友は俺だけだからな。」なんて、自信満々に笑うんだ。
転校してからも、慎矢とは時々会っていた。
彼が大会に出る時は、応援しに行ったりして。
凌と隆司は、無事に同じ大学に合格したと、藤野先生が教えてくれた。
父さんとは…、あれからずっと会っていない。
再婚して、タキさんの家で暮らしていると、時々送られてくるタキさんからの手紙で知った。
岬の父親は、煩く干渉してくることはないけれど、いつも近くで見守られているような、安心感があった。
だけどまだ…、この人を名前以外で呼ぶことができないでいる。
心の中では、もうとっくに認めているのに。
穏やか過ぎる退屈な日々は、とても心地よくて、嫌いじゃない。
でも……、時折、何か物足りない気がしていた。
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