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R18BL小説『ESCAPE』(318)
R18/BL小説 『ESCAPE』
epilogue「至愛」
318ページ
更新しました。
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キャンバスに向き合うその人の
肘まで捲った制作着の袖から覗く、腕の筋や、絵筆を持つ長くて繊細な指。
少し長めの前髪を、神経質そうに掻き上げる仕草。
見開きに載せられた数枚の写真の、そんな細かいところに、僕は……。
その時の僕は、教授に父さんを重ねてしまっていた。
それと同時に、どこか憂いを含んだような漆黒の瞳や、影のある微笑みが、僕の心を掴んで離さない。
繊細なのに、迫力ある作品の、背景に見えてしまう切なさを、僕は感じ取ってしまっていた。
雨宮 侑 って、どんな人なんだろう。
この人のことを、もっと知りたい。
そう思うと、いてもたってもいられなかった。
あの頃、ただ捨てられたくないと、父さんの大切な本当の子供になりたいと願っていた僕にとっては、
教授との出逢いは、もしかしたら本当の初恋と呼べるものだったのかもしれない。
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