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R18BL小説『ESCAPE』(321)
R18/BL小説 『ESCAPE』
epilogue「至愛」
321ページ
更新しました。
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久しぶりに降り立った懐かしい駅は、
あの頃、修復工事をしていた、木の温もりがあった駅舎も、もう昔の趣きは感じられない。
中学へ行く途中に渡っていた、すぐ側の踏み切りも無くなって、いつの間にか高架になっていた。
電車を降りて、改札を抜け、駅前にある横断歩道は、前は無かった信号機が、誘導音を鳴らしている。
信号機が点滅する横断歩道を、走って渡ると、
小さな路地を入った数メートル先に、斜面に沿って続く、長くて急な石の階段がある。
ずっと先にある女子大の学生が、『心臓破りの階段』と、嘆くのをよく耳にしていたっけ。
この階段が好きだった。
不揃いの幅の石の階段は、あの頃のままなのに、
古くなって錆び付いていた手摺が、真新しくなっていて、太陽の光で、銀色に反射している。
きっと、毎日ここを通っていたら気付かないかもしれないけれど、
あれから、もうすぐ6年になる。 その間に、僕の好きだった景色も、少しずつ変わっている。
あの頃、僕だけが変わってしまったと思ったりしていたけれど、
時と共に変わっていくのは、周りも同じ。
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