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R18 BL小説『 ESCAPE』(162)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第5章「陽炎」 
162ページ
更新しました。

*****

授業以外で、先生達の居場所と言えば、職員室か準備室のどちらかだけど、


実験を伴う授業の多い理科や、共有する資料の多い社会や、体育や芸術ならともかく、数学の準備室なんて必要ないんじゃないのかと思うのに、


佐々木先生は、物置きにされていた一室を数学準備室として、自分の居心地のいいように作ってしまっていた。


顔は良いし、一見はクールでカッコいいから、男子校と言えども、佐々木先生は密かに生徒達に人気がある。


だけど、クールと言えば聞こえはいいけど、冷たい印象で誰とも打ち解けない面があるから、職員室でも浮いた存在なのだと思う。


だから他の準備室と違って、その部屋を使うのは、よっぽどの事がない限り佐々木先生だけ。


職員室と教科準備室は離れていて、それぞれの教科準備室も距離的には近くない。


その部屋に入ってしまうと、外の喧騒からも遠くなる。


ーーおあつらえ向きの場所。




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R18 BL小説『 ESCAPE』(161)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第5章「陽炎」 
161ページ
更新しました。

*****

慎矢が煩く「勉強しろ。」って言うから、渋々テスト勉強をしたおかげで、無事に中間考査も終わり、
採点が終わった答案が、少しずつ返ってきていた。


中学の頃から、あまり真面目に授業も出ていなかったから、成績は良いとは言えないし、
テスト自体受けないことも多かった。


それでも、大抵の科目はなんとかなっていたんだけど、元々苦手な数学だけはそうはいかなかった。


慎矢は、「数学なら任しとけ。」と言って、あれからも家に泊まりに来ては、そんな僕に根気強く教えてくれていた。



「な、あんだけ勉強したし、今回は大丈夫だろ?」



数学の授業で、順番に答案が返されている時に、慎矢がコソコソと訊いてくる。



「……さあ?そんなの分かんないよ。」



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R18 BL小説『 ESCAPE』(160)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第5章「陽炎」 
160ページ
更新しました。

*****

澄んだ眼差しは、美しく煌いていて、今告白したような邪心なんて、まるで感じられない。


その瞳で、まっすぐに見詰められると、自分の汚い心の中を覗き込まれている気がして、僕は思わず目を逸らしてしまう。



「伊織の好きな相手って、どんなヤツなのかなぁ。」



大きく伸びをして空を仰ぎながら、慎矢はそう言った。


トクンと胸が震える。


――言える訳がない、相手は僕の父親だなんて、慎矢には言えない…言いたくない。


だけど、慎矢は僕に答えを求めたりはしなかった。



「伊織の気持ちが俺に向かってないのに、それを知らないふりして、ただ欲望を満たす為だけに、こないだのように抱いたとしても、虚しさだけしか残らないよ。」




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R18 BL小説『 ESCAPE』(159)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第5章「陽炎」 
159ページ
更新しました。

*****

振り向いた僕に気が付いた慎矢は、満面の笑みで手を振って、階段の手摺りに掴まりながら下りて来る。


階段に座っている僕の横に、「よっ、」と言いながら、慎矢も腰を下ろした。



「…何しに来たの。」



「ここに居たのか。遅いから心配した。」



「僕が…凌のところに行ったとでも思って?」



慎矢は、「まさか。」と言って笑ってから、「ごめんな。」と、謝る。



「何が?」



「やっぱ、俺、下手だったんじゃないかなって…」



それは、さっきの行為のことを言っているのだろう。慎矢は顔を真っ赤にして言葉を続けた。



「それで伊織が、気分悪くしたんじゃないかって…。」



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R18 BL小説『 ESCAPE』(158)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第5章「陽炎」 
158ページ
更新しました。

*****

駅前の横断歩道を渡って、小さな路地を入った数メートル先にある、斜面に沿って続く、長くて急な石の階段。


不揃いの幅の階段を、ゆっくりと上っても、少し息が上がってくる。


僕は、中腹辺りで足を止めて、いつものように振り返る。


ちょうど、幅の広い部分にベンチが置かれているけれど、そこには座らずに、階段の端に直接腰掛ける。


その位置から見渡せる街並み。この目線から見える景色が一番好き。


だけど、今の僕には、その綺麗で大好きな景色も目に入らなかった。


さっきから俯いて、石の階段の隅を歩いている蟻の行列を眺めている。


太陽が一番高い処にある時間帯は、5月だけどジリジリと強い陽射しが半袖のシャツから見えている腕に照り付けている。


シャツの下の肌が、じんわりと汗ばんでいるけれど…家に帰る勇気が出ない。


……あの後、



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