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R18 BL小説『 ESCAPE』(243)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第7章「ESCAPE」 
243ページ
更新しました。

*****

男に気付かれないように、少し離れたところで道路を渡ると、そのままビルへ向かおうとする、大谷の腕を掴んで引き止めた。



「待てって。」



取り敢えず、側にある路地の角に身を隠すと、「なんでですか?」と、大谷が不服そうに言ってくる。



「俺が行って、聞いてくるから。君は此処で待っていなさい。」



「だけど!」と、今にも飛び出して走って行きそうな大谷の肩を両手で、角の建物の外壁に押さえ込んだ。


「いいから。此処で待っていなさい。」



少し厳しい口調でそう言うと、大谷はまだ不服そうな顔をしていたが、「分かりました。」と、身体の力を抜いた。


もしかしたら、見張りは他にいるかもしれない。


話がスムーズに通らない可能性の方が高いのに、大谷を連れていくわけにはいかない。



「もし、何かあったら、君に警察を呼んでもらわないと困るからね。」



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R18 BL小説『 ESCAPE』(242)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第7章「ESCAPE」 
242ページ
更新しました。

*****


「…喧嘩でもしたのか?」



同級生と関わりを持つことを避けていた鈴宮が、大谷にだけは頑なな心を解いているように思えていた。


実際、二人が一緒にいるところを見かけると、鈴宮は自然に和らいだ表情を見せるようになってきていた。


沢山じゃなくて良い、親しい友人が一人だけでもできたなら、不登校気味だった鈴宮も、少しは学校にくるのが楽しくなるんじゃないかって、そう思いかけていた。


そんな矢先に、鈴宮は退学したいと言い出した。



「…喧嘩なんてしていない。寧ろ、思いきり喧嘩ができたら良かったのかもしれない。学校を辞めたのだって、もしかしたら俺のせいかもしれないんだ。」



大谷は、俺に見えないように、頬に流れた涙を手の甲で拭う。「俺が、あいつを疑ったりしたから悪いんだ、悪いんだ。」と、何度も繰り返しながら。




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R18 BL小説『 ESCAPE』(241)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第7章「ESCAPE」 
241ページ
更新しました。

*****

「何があったんだ?鈴宮は?」


大谷の隣に同じように座り込み、急かすように質問すると、


大谷は、さっき見ていた向かいの黒っぽいビルを指差した。



「伊織は三年の井上さんと、あの向かいのマンションに入って行ったんだけど…。」



「あれは…マンションなのか?」



そのビルは、マンションにしては、こんな時間なのに、どの部屋も灯りが点いていなくて暗い。



「分からない…入って確かめたかったんだけど、中に男の人が立ってて…。」



言われて入り口を見れば、エントランスには灯りが煌々と点いている。


此処から見える限りで、灯りが点いているのは、そのエントランスだけだった。


確かに自動ドアの向こうで、壁に凭れて煙草を吸っている男の姿が、この位置からでもはっきりと見える。




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R18 BL小説『 ESCAPE』(240)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第7章「ESCAPE」 
240ページ
更新しました。

*****

そして、学校までの石畳の歩道を歩く、彼らの後ろ姿を見つけた。



「ちぇー!さっきのおっさん、高そうなスーツ着てたわりには、シケてんなぁ。」


生徒のうちの一人が、一万円札をぴらぴらとさせてボヤいているのが聞こえてきた。


ーーあの男から金を巻き上げたのか?と、その時初めて気付く。


だけど、確証は無かった。


彼らの会話を後ろで聞きながら、 俺は落胆していた。


あの現場を見ていたし、今の会話も聞いていたのに、それ以上踏み込むのを、理由を付けて避けようとする自分に。


そして、鈴宮伊織との最初の出会いは、最悪なイメージを残した。



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R18 BL小説『 ESCAPE』(239)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第7章「ESCAPE」 
239ページ
更新しました。

*****


混み合う車内、蒸し暑い空気、電車のドアに額を擦り付けるようにして、彼は俯いていた。


彼の吐く息で、車窓が曇っているのが見えて、何か変だと気が付いた。


着ている制服は、俺が今日から着任する事になった高校の制服。


彼の両隣には、同じ制服を着た生徒が背を向けて立っている。


必要以上に、彼の背中に身を寄せるスーツを着た中年の男。


彼の身体に不自然に回された男の右手。


気を付けて見なければ、その異変には俺も気付かなかったかもしれなかった。


だけど、明らかに其処だけ空気が違う。


車窓に映る彼の唇が、僅かに動いたような気がした。





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