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R18BL小説『 ESCAPE』(279)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第7章「ESCAPEⅡ」 
279ページ
更新しました。

*****


 ーー 速水の所へ?


「…… どうして。」



 どうして今更…… そんなことを言うんだ。



「…… 思い出したんだ…… 凌なら、僕の欲しいものを全て与えてくれるって…… 。」



 その言葉はぼんやりと、俺に向けてではなく、ただ呟くように紡がれた。


 鈴宮は、どこか遠くへ、想いを馳せるように、うっとりとした表情で宙を見詰めて。



「…… 身体の全てが、凌の中へ同化していくような…… 何も考えなくても良い、あの世界でずっと浸っていたい。」



 ーー やっぱり、僕を救ってくれるのは、凌しかいない。



 そう続けて、鈴宮はまたゆっくりと前を向き、ふらふらと寝室から出て行こうとする。



「ーー 鈴宮くん!」




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昨日、すごい久しぶりにmemoブログ更新しています。
ESCAPEについて、グダグダ呟いているだけですが、
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R18BL小説『 ESCAPE』(278)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第7章「ESCAPEⅡ」 
278ページ
更新しました。

*****

 ーー 多田と脇坂が…… 


 こんなに近くにいるのに、それは見過ごしてしまうほどの、小さなサインだったかもしれない。


 だけど……、


 あの時憂鬱そうに見えた鈴宮の横顔も、ふと胸を掠めた嫌な予感も、気の所為なんかじゃなかったのに。



「先生……」



 俺の後頭部に手を回し、引き寄せられて、言葉と共に、唇を熱い吐息が誘う。



「…… 鈴宮…… 駄目だ。大谷とも約束したって言ってたじゃないか。」



 ーー 好きじゃない人とはもう身体を繋げたりしないって…… 約束。



 力を入れれば、壊してしまいそうな華奢な肩を掴み、かろうじて誘いを躱し、言い聞かせてみても。



「だって、どうせ皆一緒じゃない。好きじゃなくても欲情するし、セックスなんて誰とでもできる。」



 今の鈴宮の心には、響かない。




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R18BL小説『 ESCAPE』(277)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第7章「ESCAPEⅡ」 
277ページ
更新しました。

*****

「復讐? それは違うだろう?」



 ーー『だから、他の男に教えられる前に、私が覚えさせただけだ。』



 あの人は、そう言っていた。 それと何か関係があるとは、俺には思えないけれど。



「父さんは、僕の本当の父親を忘れることができない母さんを憎んでいた。」



「それは、お父さん…… 鈴宮さんが言ったのか?」



 俺の腕の中で鈴宮は、小さく首を横に振る。



「…… はっきり言わなくても、分かってしまった。… 父さんが僕を抱いたのは、母さんの裏切りを赦せなかったから。」



 それが本当の話だとしても、子供には関係のない話じゃないか。


俺は、ますますあの人への怒りが込み上げてくるのに……。



「それでも良かった。 どんな形でもいい…… 父さんに必要とされたかった。」



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R18BL小説『 ESCAPE』(276)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第7章「ESCAPEⅡ」 
276ページ
更新しました。

*****

 それ以上に、君との出会いを大切に思ってるから。


「教師としての義務なんかじゃないよ。」


 勉強を教えるだけが教師ではない。問題から目を背けて、ただ安穏に日々が過ぎれば良いというものでもない。


 広い世界で、人と人の出会いは、それ自体が奇跡。


 こうして、鈴宮が俺の部屋にいて、心が壊れそうなほど苦しんでいる。


それは、ほんの偶然が重なって、今があるのかもしれないけれど。


 生徒一人一人の全てを背負うことなんて出来る訳もないけれど、それでも。


もしも、少しでも鈴宮が、一人で立って歩いていけるように、ほんの少しでもその未来を守ってやる事が出来るなら。



「…… 君の力になりたくて、俺がそうしたくて、此処に連れてきたのだから。負担になんて思わないよ。」



 それが今の俺の、偽りのない本心だと思っている。


 だけど鈴宮は、ゆっくりと上半身をベッドの上で起こして、無表情に言葉を零した。




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R18BL小説『 ESCAPE』(275)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第7章「ESCAPEⅡ」 
275ページ
更新しました。

*****

「…… どうし… よ……、ここが苦しい……。」



 腕の中で身を縮めるようにして、胸を押さえながら、鈴宮は途切れそうに言葉を零した。



「胸が痛くて、潰れそう。」



「ーー 鈴宮……、」



 華奢な身体を震わせて、言葉の合間に漏れる嗚咽が、あまりにも哀しくて、俺は鈴宮をきつく抱きしめていた。


 こうすることで、君の哀しみの半分でも、俺が受け止めることが出来ればいいのに。



「ーー 、父さんの傍にいられるなら、……っ、他に何も要らないの… に…」



「うん……。」



「ぼく、は、母さんの代わりで、良かったのに……。」


 
 必死に訴えてくるのは、辛い心の叫びだった。



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