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R18小説『 ESCAPE』(108)
R18/BL小説 『ESCAPE』
第4章「背徳」
108ページ
更新しました。
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「俺は、愛してると何度も言った。」
ーー愛してるーー
「そんなの、言うだけなら、僕だって言えるよ。」
「伊織っ」
怒気を帯びた声で、その先を言うなとでも言いたげに、僕の名前を呼ぶ凌から、目を逸らさずに言葉を続けた。
「愛してるよ、凌のことを愛してる。誰よりも愛してる。どう?満足した?」
言った瞬間、頬に焼けるような痛みが走った。
怒りと哀しみが入り混じったように、凌は眉間に皺を寄せて、僕を睨みつけている。
わなわなと震えている右手を胸の辺りで握り締めていた。
凌に頬を平手打ちされたんだ…と分かって、僕は自分のぶたれた頬に手を当ててみた。
(ーー熱い…。)
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