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R18BL小説『 ESCAPE』(298)
R18/BL小説 『ESCAPE』
第7章「ESCAPEⅡ」
298ページ
更新しました。
*****
静かな美術室の中は、二人の吐く荒い息遣いに混じり、壁に掛かっている大きな時計の針が、時を刻む音が響いていた。
まるで、今まで止まっていた時間が、突然動き出したかのように思える。
外からは、相変わらず強い風の吹く音が聞こえてくる。
時々、気まぐれに、窓ガラスを揺らして。
此処に来た時と、何も変わらない… なのに、何故だろう。
とても静かで、落ち着いた気持ちに浸っている。
腕の中で、身体を弛ませている伊織の汗に濡れた髪に鼻先を埋めながら、
俺は、この心地よさをもう少しだけ感じていたいなんて、願ってる。
身体を離してしまうと、途端に消えてしまいそうな気がしていた。
ふと、視線を前に向けると、伊織の描いた 記憶の中の春の景色が視界に入った。
「…… 絵、完成したんだね?」
「…… うん。」
短く応えて、伊織は少しだけ密着していた身体を離して、肩越しに春の景色へ視線を廻らせた。
・・・・・・続きを読む?
表紙から読む?↓
ぽちっと↓
▼ 雑記memo …
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第7章「ESCAPEⅡ」
298ページ
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静かな美術室の中は、二人の吐く荒い息遣いに混じり、壁に掛かっている大きな時計の針が、時を刻む音が響いていた。
まるで、今まで止まっていた時間が、突然動き出したかのように思える。
外からは、相変わらず強い風の吹く音が聞こえてくる。
時々、気まぐれに、窓ガラスを揺らして。
此処に来た時と、何も変わらない… なのに、何故だろう。
とても静かで、落ち着いた気持ちに浸っている。
腕の中で、身体を弛ませている伊織の汗に濡れた髪に鼻先を埋めながら、
俺は、この心地よさをもう少しだけ感じていたいなんて、願ってる。
身体を離してしまうと、途端に消えてしまいそうな気がしていた。
ふと、視線を前に向けると、伊織の描いた 記憶の中の春の景色が視界に入った。
「…… 絵、完成したんだね?」
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短く応えて、伊織は少しだけ密着していた身体を離して、肩越しに春の景色へ視線を廻らせた。
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