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R18小説『 ESCAPE』P100
R18/BL小説 『ESCAPE』
第3章「欺瞞」
100ページ
更新しました。
*****
薄く目を開けると、父さんはこちらに背を向けてベッドに腰掛けていた。
「父さん…」
恐る恐る声をかけると、父さんは肩越しに振り向いて、やっと僕と視線を合わせてくれた。
「…まだ起きていたのか。早く寝なさい。」
静かに低い声で、そう言うとまた前を向いてしまう。
一瞬しか合わなかった父さんに瞳には、何も映っていないような気がした。
どうして僕のこと、ちゃんと見てくれないの。
ーーお前の身体はもう他の男に穢されてしまったからだよーー
何も映さない瞳に、無言でそう言われたような気がして…、
哀しくて、胸が張り裂けそう。
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R18小説『 ESCAPE』P99
R18/BL小説 『ESCAPE』
第3章「欺瞞」
99ページ
更新しました。
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僕を家に連れて帰ってから、父さんは書斎に閉じ籠ったきり、食事の時間も部屋から出て来ない。
警察署から家まで車の中でも、ずっと黙ったままで、僕の顔を見る事もなく。
きっと今回の事件の男が、神社での事件のあの男だという事も、そして僕がその男に抱かれた事にも気付いているんだろう。
何も訊いてこない事で、余計に父さんの怒りが、普通ではない事が分かる。
けれど、それと同時に、その奥に潜んでいる愛も確かに感じていた。
それでも、父さんの周りに漂う空気に、僕は何故か怖くて、話し掛けることすら出来ずにいた。
夜眠る為に、いつものように父さんの寝室に向かう。
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R18小説『 ESCAPE』P98
R18/BL小説 『ESCAPE』
第3章「欺瞞」
98ページ
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別の場所にも捜索差押許可状があって、男は、僕とは別の車に乗せられて、行ってしまった。
もうこれで、きっと会えなくなるだろうに、最後は酷く呆気なかった。
男が乗った車が先に細い路地を出て行ってから、僕も警察の車に乗せられた。
パトカーなんかじゃなくて、普通の黒いワンボックスカーだった。
*****
警察署に着いて、色々聞かれたけど、僕は殆ど何も喋らなかった。
どこまで言っていいのか、分からなかったから。
それは、別に男を庇ってそうした訳じゃないのだけど、
刑事はしきりに、男がどんなに悪い人間かという事を僕に話す。
だから、義理立てて、庇ったりしなくてもいいんだよと根気良く僕に話し掛けていた。
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R18小説『 ESCAPE』P97
R18/BL小説 『ESCAPE』
第3章「欺瞞」
97ページ
更新しました。
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「もう一度訊くけど、君はこの男と、どういう関係なんだい?」
刑事はさっきと同じ質問を、男の前でもう一度確認するかのように訊いてきた。
「だから…」
僕もさっき言った通りに、『友達』と言おうとしたところに、男がそれを遮るように口を挟んだ。
「俺がちょっとからかっただけだよ!こいつに訊いても何も出てこないっての。」
「お前に訊いてない。俺はこの子に訊いてるんだ。」
刑事の怒鳴り声に、男は口を噤み、拗ねたようにそっぽを向く。
「後でゆっくり訊かせてもらうけど、この男に何かされたんなら、正直に言って良いんだよ。」
僕は、この男に神社で襲われて、学校にまで来て脅迫されて、部屋に連れ込まれてセックスを強要され、その行為をビデオに撮られました。
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R18小説『 ESCAPE』P96
R18/BL小説 『ESCAPE』
第3章「欺瞞」
96ページ
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二人の刑事にジリジリと詰め寄られて、背中が後ろのドアに付く。
逃げ場が失くなり、手の中の鍵を握りしめたその時、
後ろでガチャンと鍵の開く大きな音が響いた。
僕の背中を押すように、後ろのドアが僅かに開いて、中から男の面倒臭さそうな声がした。
「朝っぱらから、煩い。」
(ーーなんで出て来るんだ。)
心の中でそう思いながら振り向くと、男はこんなに朝早いのに、黒のスラックスに控えめな光沢のグレーのシャツを着て、髪も綺麗に整えている。
「何処かに出掛けるの?」
思わずそう訊いてしまう程、僕は男がこんなに見なりを整えている姿を見たことがなかった。
「…ああ、そうだ。だからお前は早く学校へ行け。」
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