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R18 BL小説『 ESCAPE』(139)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第4章「背徳」 
139ページ
更新しました。

*****

「…ふふ、くすぐったかった?」


からかうように言うと、慎矢は恥ずかしそうに、伏し目がちに僕を見ている。



「僕はね…、ここ触られるの好きだよ。」



慎矢に掴まれた手を引いて、自分の胸の尖りに触れさせた。



「…伊織…、」



慎矢の指先は、遠慮がちに、まるで壊れものでも扱うように、胸の尖りに触れる。


目を閉じて、父さんの愛撫の感触を思い出すと、その優しすぎる刺激は物足りなかった。



「…慎矢、もっと強く触っていいよ。」



もっと無茶苦茶にして、僕が粉々に砕けてしまえるくらいに。


僕の言葉で、火が付いたのか、慎矢が其処に貪りつくように覆いかぶさってきた。




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R18小説『 ESCAPE』(138)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第4章「背徳」 
138ページ
更新しました。

*****

「……伊織…っ、」


慎矢の瞳の情欲の色が濃いくなる。


欲望に支配されて、我を忘れて、僕が壊れるくらいに、この身体を愛してほしい。


慎矢は僕の身体を掻き抱くと、そのままベッドに倒れ込んだ。


まるで飢えた獣のように、唇に貪り付いてくる。


ぎこちないけれど、激しい口付けに、目眩を覚える。


目を閉じて、その口付けを受けながら、あの人に愛されてる自分を想像する。


熱くて、激しい感覚は、あの人が与えてくれてるんだと思えば、僕の身体はこれ以上ない程に興奮した。


でもそんな想像をしても、余計に虚しくなるだけだと、本当は分かってる。


友達としてでなく、ただの性欲処理の道具でなく、死んでしまった人の代わりでもなく。


ただ一人の人に愛されたいだけなのに。


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R18小説『 ESCAPE』(137)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第4章「背徳」 
137ページ
更新しました。

*****
「……伊織…ぃ…」


慎矢の指が、僕の髪を梳くように撫でて、切なそうな声で僕を呼ぶ。


僕は熱く猛り切っている慎矢の根元から先端へと、舌を這わせながら、上目遣いに視線を合わせた。


戸惑いながらも、その瞳は情欲に濡れて光っている。


どんなに駄目だと分かっていても、快楽には抗えるはずもなく、理性なんてガラスの防壁のように脆い。


男の機能なんて皆同じ。



「他人に、こんな事されるの、初めて?」


僕の言葉に、慎矢の顔がまた紅く染まる。


キスさえも初めてだった慎矢の其処は、他人にこんな風に触られて、初めての快感にヒクヒクと震えている。


僕はゆっくりと、先端から包むように、慎矢の猛りを咥内に呑み込んでいく。



「ーーッ、伊織…ッ……あぁっ、」

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R18小説『 ESCAPE』(136)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第4章「背徳」 
136ページ
更新しました。

*****
「慎矢が訊いた事は、本当の事だよ。慎矢も見たじゃない、僕が屋上で凌としていた事。」

慎矢の顔が一瞬で赤くなった。

「それで、その話を訊いて、昨日のキスの続きをしたくなったんだ。」

「ーー違うっ!」

「違わないでしょう?ここ、こんなにしておいて、説得力ないよ。」

何もしていないのにズボンの布を押し上げて硬く主張しているそこを、

掌で撫で上げてやると、慎矢は、慌てて腰を引いた。

「俺は…ただ、伊織が何でそんな事をするのか、誰とでもいいだなんて言うのか、何か理由があるからなんじゃないかって…」

「理由?そんなものは無いよ。僕はただ、気持ちいい事が好きなだけ。男無しではいられない淫乱。ただそれだけだよ。」

「嘘だ、」


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R18小説『 ESCAPE』(135)

R18/BL小説 『ESCAPE』

第4章「背徳」 
135ページ
更新しました。

*****

「あ…、」

慌てた様子で、慎矢が 、その巾着袋を取り上げようと手を伸ばしてくる。

「何?見せてくれたっていいじゃない。」

取られないように、僕はその巾着袋を握った手を後ろに引いた。

多分、ブレザーのポケットに入れていたんだろう。

他人の持っている物なんて、さして興味もないのだけど。

あまりにも慎矢が焦った顔をしたから、そっちの方に興味が湧いてしまった。

「中、見てもいいよね?」

慎矢は諦めて、伸ばした手を引っこめて「いいよ。」と頷いた。


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